【第4回】真似できる! シリコンバレーで学んだ事業の作り方。
![](https://link-village.com/wp-content/uploads/2018/03/IMG_3666.jpg)
第3回の投稿はこちらからご覧頂けます。
前回までの内容で、皆さんもアイディアを生み出せたでしょうか?
ぜひ、一緒に自分でも、挑戦してみてくださいね。
アイディアが固まってきたら、いよいよプロトタイプを作ります。
ただし、ソースコードを書いたり、特別な技術が必要なわけではありません。
プロトタイプの目的は、基本的に仮説の検証です。
いかに安く、早く、仮説を検証できるかが勝負です。
自分が考えた解決策が、問題をしっかり解決できているか。
プロダクトの有効性を試すのが目的であると、認識してください。
アンソニーは、いくつかの道具を持ってきました。
どれも、何の変哲もない、どこにでもあるものです。
- ノート
- はさみ
- ポストイット
- アルミホイル
- 輪ゴム
- 粘土
- カッター
- 工作板
- ガムテープ
- クリップ
- 物差し
- マーカー
- ダンボール
文房具店で全て揃えられるような道具です。
これらを使って、最速で仮説を検証できるものを作ります。
最初は、戸惑うかもしれません。
私も、どう手をつけたものかと戸惑いました。
しかし、創造までの過程である程度プロダクトのイメージは出来ているはずです。
どんなプロトタイプを作れば、仮説が検証できるでしょうか?
なお、制限時間は10分です。
長い時間をかけてもいられません。
即座に手を動かし、作り始めることが大切です。
実際に作ってみる。
私が考えたのは、国際交流パーティーをリアルタイムで主催するアプリでした。
その場に集まった人に向けて「今からパーティーしませんか?」と声をかけられるツール。
語学の習得や異文化交流を、バーやイベントなどで促進できるものです。
こうした場合、どのようなプロトタイプを作ればよいのでしょう?
私の作ったプロトタイプは、こんな形です。
![](https://link-village.com/wp-content/uploads/2018/03/IMG_3666.jpg)
非常にシンプルですね。笑
ダンボールにポストイットでUIを再現したものです。
セクションごとに、色分けして分かりやすくしてあります。
しかし、侮ってはいけません。
実際に数人分、同じものを作り実験してみると、議論が沸き起こるのです。
架空で頭の中に思い描いているよりも、ずっと生々しく実感できます。
もし余裕があれば、別の画面も作ってみても良いでしょう。
実験する最中は、ファシリテーターと呼ばれる人を起きます。
ボタンを押したと同時に、発生する現象を手動でオペレーションします。
例えば、下のJOIN NOW!のボタンを押したと同時に、何が起こるか説明します。
今回の場合であれば、ボタンを押したと同時に、参加人数をカウント。
時間になったら集合地点に向かうように指示したりです。
オリエンテーションやワークショップ的な雰囲気とも言えます。
こうして、実際の機能とその楽しさを、検証していくのです。
机上で企画書を書くよりも、よほどリアルに現象を体験できます。
プロトタイプの形は、非常に様々です。
最近、カフェでプロトタイプの実践をしてもらった機会がありました。
中には紙にレイアウトを書いて、写真で撮影した人もいます。
私はポストイットとダンボールでしたが、撮影するのはもっと楽ですね。笑
しかも、スマートフォンの実機で確認できるわけですし。
また、AdobeからXDというツールも出ています。
XDはこうしてプロトタイプを最速で作るためのツールです。
ただWEBサイトのレイアウトを決めるだけのツールではありません。
より実機でリアルにプロトタイプを体感できるよう、開発されたものです。
興味がある方は、ぜひ使いこなしてみてください。
フィードバックをもらおう。
さて、プロトタイプの作成も完了しました。
後は実際に試してみた結果、どうだったかを議論します。
制限時間は4分です。
様々な意見が出てきますが、下記の項目を重点的にメモしてください。
- うまくいったポイント
- 改善できるポイント
- 質問
- さらに生まれたアイディア
この4項目があると、より次の改善に活かしやすくなります。
たくさんの意見やフィードバックの中、注意すべきことがあります。
意見を選別する意識です。
すべての反応が、より皆に受け入れられるとは限りません。
中には、自分の信念を捻じ曲げてしまうこともあるでしょう。
取り入れることで、悪くなってしまう意見もあります。
リソース的に、優先すべきではないこともあるはずです。
大切なのは、何を受け入れ、何を省くかです。
これが中々難しく、最初は全て取り入れようとするかもしれません。
そんな時は、一度立ち止まって考えてみてください。
- 全てがシンプルに提供されている?
- 分かりやすく表現されているか?
- 魅力的に表現されてる?
上記の3原則はクオンカレッジβテストでお話していていたことです。
最近、偶然にもシリコンバレーで同じようなルールを見つけました。
- 短い? ( Short )
- 具体的?( specific )
- 魅力的?( sexy )
3つのSと呼ばれているこの原則は遠からずです。
自分のプロダクトが、他の意見によって侵害されることは避けてください。
ただし、反論するのではなく、可能性として全てを残しておいてください。
後から必要なヒントとなるかもしれません。
何が必要で何が必要ではないか、優先順位をつけるだけです。
反映しないこともあるかもしれませんが、残しておいてください。
実際の現場ではどうか?
今回は、あくまでもワークショップ的にお話しています。
だからこそ、それぞれの段階が1回ずつしか、繰り返されません。
しかし、実際は何度も繰り返されていきます。
プロトタイプも何個も作ります。
ダメだったら、また別に保管してあったアイディアを試していきます。
素早くアイディアをプロトタイプに落とし込んだ後、それでもダメだった場合。
また問題提起に戻り、別角度の問題からアイディアを出し直したりします。
大切なのは、こうした試行錯誤を、いかに素早く繰り返すかです。
そして、どれが一番、皆にとって素晴らしい解決策なのかを見つけ出します。
だからこそ、制限時間があることは大切です。
今までの過程は全て、1時間30分程度で行われた過程です。
もし、ダラダラと話続けていたら、問題提起で1日過ぎてしまうかもしれません。
今回の流れであれば、たった1時間30分で検証まで進めるのです。
1日あれば、5 〜 10パターン程度は、プロトタイプを作り出せるでしょう。
しかも、複数人で行えば、なお効率は上がります。
ただし、共感のフェーズだけは、ある程度時間をかけるべきでしょう。
全ての根本となる共感が成されなければ、以降の全てが崩れてしまいます。
問題に対して共感出来ないのであれば、どんな考えも無意味です。
現実味が無く、確信も持てないまま、ただ時間を無駄にするだけでしょう。
どうしても共感出来ない問題は、扱わない方が良いかもしれません。
そこは、自分で納得できるまで取り組んだ方が良いでしょう。
さて、これでプロトタイプの段階は終わりました。
いよいよ次は、連載5回目、最後の「テスト」になります。
リリースまでの過程も合わせて説明させて頂くので、目を通してみてください。
第5回はこちらからお読みいただけます。